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月別アーカイブ: 2016年6月

夜尿症(おねしょう)相談の途中経過

初回平成28年4月4日
小学校5年生の男子。
毎晩1~2回お漏らしをしてしまう。
予定日より2週間早く生まれた。
平熱は35度前半でかなりの低体温。
食欲、二便共に正常

処方 八味地黄丸料4.0g(S社製1日量9.0g)
ワタナベ活性型オイスター6粒 以上分2回

八味地黄丸は巷間老人用の或いは糖尿病の漢方薬として認知されているが、漢方医学的には広く生命エネルギーが不足した状態(腎陽虚)に使用する。ここでいう腎とは現代の腎臓という意味ではなく、五臓六腑の中の生命力のもととなる臓で成長、発育、生殖に関わる臓のこと。この子の場合、2週間早く生まれたことにより母親から先天の精(生命力の源)を充分に貰っていない可能性がある。生命エネルギーが不足しているから体温が低い。また「腎は髄を養う」という言葉が有る。これは腎のエネルギーが脊髄やその上端の脳を養うということ。脳が年齢相応に充分に養われていないから脳下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン(尿量を減少させる)の分泌が不十分である可能性もある。従って子供ではあるが八味地黄丸の適応ではないかと判断して使用。

ワタナベ活性型オイスターは命を養う栄養素として必須。抗利尿ホルモンの合成に関わる酵素活性にもオイスターのミネラル・ビタミン等は必須と思われる。

6月15日8回目来店
平熱36度台に上昇。
6月に入ってから15回の夜の内、お漏らしが無かったのが6回。
徐々にではあるが効果が現れていると思う。