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月別アーカイブ: 2014年6月

へバーデン結節の痛みに苦しむ女性

今朝、開店準備をしているところへ妻の友人が来て曰く、「両手小指の第一関節が腫れて痛いねん。血の検査したけれどリウマチとは違うって言われてん。」
見ると確かに両小指 の第一関節が少し赤味を帯びて腫れている。そっと触れるとやや熱感がある。「へバーデン結節かな?」と思った時、ある女性のことを思い出した。

もう3年程前になる。推定50歳独身。にこっとした時に藤原紀香さんソックリな美人さん。
両手全指の第一関節が痛い。へバーデン結節と言われたとのこと。
仕事でパソコンを打つのが辛いと訴える。

いろいろお話を伺うと、美人に似合わず結構ズボラなところがある。
風呂は冬でもシャワーのみ。湯ぶねにお湯を張るのが邪魔くさい。
料理はめったにしない。
漢方薬をきちんと飲んでくれるのかと非常に不安になった。

低体温、冷え症、偏食気味ということで、温めて気・血・水の巡りを良くしようと。
また、ビタミンやミネラルも不足しているはずなので、以下の組み合わせを薦めた。
五積散エキス
?帰調血飲第一加減エキス
ワタナベ活性型オイスター

分包した薬包紙を破るのも邪魔くさいと言いながら続けること約3ヶ月。すっかり良くなったところで廃薬とした。

抗酸化物質である漢方薬と抗酸化酵素合成に必要なミネラルを摂取することによって過剰な活性酸素が無毒化処理され、漢方薬本来の効力との相乗効果で快方に向かったと考える。

 

 

風邪をこじらせてしまった女性

ご近所さん77歳。
初回6月17日夕刻。 3日程前に冷房が効いた部屋に居てゾ~ッとした。
昼間は平熱だが夜になると微熱が出る。その際、手足の節々が少し痛む。咳が頻発する。痰は白っぽく切れにくいのが少し。声が出ない。
「往来寒熱、四肢煩疼」と考え、柴胡桂枝湯。咳が頻発するので半夏厚朴湯を合わせる。3回分。今すぐ1回と就寝前、明朝に服用するよう指示。

翌18日電話があり、「昨夜は微熱は出なかった。咳も軽くなった。」とのこと。声も昨日よりも出ている。3回分追加。

19日。発熱は無くなった。咳込む回数はかなり減ったが痰が切れにくく、やや黄色を帯びている。麦門冬湯合半夏厚朴湯加桔梗石膏。3回分。

20日。「今度の薬は飲み易い。痰の色も無くなり、切れやすくなった。」3回分追加。

21日。声も元に戻り、ほぼ良くなった。3回分追加。

22日。昨夜は風呂に入ってサッパリした。ちょっと長く歩くと疲れる。補中益気湯合生脈散(五味子、麦門冬、党参)2日分。

24日朝。すっかり良くなった様子。スーパーや商店街で買い物をしている。

以上1週間にわたる風邪の養生であった。

めまいに苦しむ女性

T子さん35歳。最近頻繁にめまいが起こる。
天井がグルグル回り、昨日は飲んだコーヒーを吐いた。

以前、同年代同症状の女性に沢瀉湯を煎じ薬で出したところ著効を得たので、今回も試してみる。但し、今回はエキス剤が良いとのことなのでZ堂の沢瀉湯加茯苓を3回分渡す。

2回服用した後非常に気分が良くなり食欲が出て、美味しく夕食を取った。
めまいは全く起こらない。
漢方薬の即効性に驚き、10日分常備薬として購入された。

漢方の原典『金匱要略』に「心下部(みぞおち辺り)に水毒が停滞していて、ものがぐるぐる回転するような激しいめまいに苦しむ者は沢瀉湯が主治するのである。」と書いてある。
コーヒーを飲んだ直後に吐いてしまったのは、心下部の水毒が原因だと思ったので沢瀉湯とした。

追記)6月28日、沢瀉湯加茯苓を服用し始めてから1度も目まいは起こらない。10日分追加購入。

 

 

アルツハイマー病の予防

6月4日の新聞にアルツハイマー病の発症を抑制するタンパク質を発見した』という記事がありました。
「副作用のない新たな治療薬の開発につながる可能性がある。」とのことですが、まだしばらく時間がかかりそうです。

アルツハイマー病は脳細胞の損傷による病気で、加齢につれてできるアミロイド‐βタンパク質(Aβ)が原因物質と考えられています。

以前の記事にも書きましたが、大脳は重さは体重の約2%しかないのに 身体全体のエネルギーの約20%を消費しています。脳細胞のミトコンドリアにおいてエネルギーであるATP産生の際多量の酸素が消費されますが、同時に副産物として多量の活性酸素が発生します。
この過剰な活性酸素はAβを凝集、蓄積させます(老人斑)。 また過剰な活性酸素はAβを分解する酵素の働きを妨げます。
異常に凝集、蓄積したAβは多量の活性酸素を放出して脳・神経細胞を破壊します。
(簡単に言えば、活性酸素によって脳・神経細胞が錆びついてしまい、錆びた鉄が鉄本来の働きをしなくなるのと同様に脳・神経細胞も本来の働きができなくなった状態) まさに悪循環です。

そこで、アルツハイマー病を予防するには過剰な活性酸素を除去することが重要と言えます。
人間の体には過剰な活性酸素を消去するためのシステム(抗酸化システム)があり、大きく次の2つのルートに分けられます。
1)抗酸化物質によるルート・・・活性酸素に直接作用して活性酸素を無害な水に変化させる。
2)抗酸化酵素によるルート・・・体内で作られ、活性酸素を消去する反応に関与して働く。

では具体的にどのようにすればよいのか。何を摂取すれば良いのか??
ちなみに漢方楽は抗酸化物質です。しかも強力!

お問い合わせはこちらまで。
こちらの記事もご覧下さい。

咳が止まらない女性

女優のミムラさんに似た美人28歳。
数日前から咳が止まらない。耳鼻咽喉科で鎮咳剤を処方してもらっても治らない。

胸から突き上げてくる咳で、夜中に何度も目が覚めるほど咳き込む。
少し湿った痰が極少量出る。咽喉が非常にいがらっぽい。

ここまで聞いた時に漢方の古典「金匱要略」の「大逆上気、咽喉不利・・・」麦門冬湯を考えた。
矢数道明博士の漢方処方解説にも「気の上逆による痙攣性咳嗽に用いられる。」と記載されている。

ところが、ミムラ似さん曰く「咳込んだ時には涙や鼻水が出ます。水を吐いたこともあります。咽喉も渇きます。」
ちょっと待って・・・
越婢加半夏湯?・・・お小水に変化は無いし・・・
半夏厚朴湯?・・・水の偏在は考えられるし、厚朴が気管支の痙攣を鎮めて半夏が咳を鎮める・・・。これがいいかも。でも咽喉が乾燥していがらっぽいのはしっかり取れるの???
麦門冬はいるんちゃう?

石膏で治す口渇ではないと考え越婢加半夏湯は却下!
苦し紛れに渡した薬は麦門冬湯+半夏厚朴湯。2日分。

直ぐに飲みたいとのことで、1回分を目の前で飲んで頂く。
店を出て30分ほど経って戻って来られる。
苦情を言われるのかと覚悟をしていると「咽喉がすごく楽になりました。」と言ってお団子を下さった。
4日後に会って様子を聞くと、2日分の漢方薬ですっかり咳が止まってしまったとのことでお礼を言われた。

同日ミムラ似さんのすぐ後に30歳代の男性(血流計の会社の営業マン)がミムラ似さんとほぼ同様の咳(咽喉がいがらっぽく、胸から突き上げてくる)を頻発していたので、追試のつもりで同じ漢方薬を渡した。
黄砂やPM2.5等の影響で咳は出るが、1回飲むと5時間くらい止まっているとのことである。
但しこの人には麦門冬湯+厚朴末でも良かったかも知れない。